ロクイチ報告の時期が近づくと、提出そのものだけでなく、法定雇用率への対応やこの先どう進めていくべきかまで気になってくる企業さまも多いのではないでしょうか。この記事では、ロクイチ報告の基本を押さえたうえで、その後の障がい者雇用をどう考えるかを整理しています。
一般に「ロクイチ報告」と呼ばれているのは、高年齢者雇用状況等報告および障害者雇用状況報告のことです。ここでは主に、障害者雇用状況報告をきっかけに、その先の進め方を考えていきます。

ロクイチ報告では、高年齢者雇用状況等報告書と障害者雇用状況報告書を提出し、高年齢者および障がい者の雇用に関する状況を報告します。障がい者雇用については、毎年6月1日現在の状況を、本社所在地を管轄するハローワークに報告することが義務づけられています。
障がい者におけるロクイチ報告の対象となるのは、法定雇用率が適用されるすべての民間企業です。制度改正により対象範囲は広がっているため、今の基準だけでなく、今後の見直しも見ておくことが大切です。
2024年4月:法定雇用率 2.5%
常時雇用する労働者数 40.0人以上 の事業主が対象です。
2026年7月:法定雇用率 2.7%
対象範囲は 37.5人以上 に広がります。
障害者雇用状況報告書では、主に次の内容を記載します。雇用障がい者数だけを見るのではなく、常用労働者数や実雇用率の整理も必要です。
障害者雇用状況報告書で特に注意したいのが、障がい者のカウント方法と労働時間の考え方です。ここを誤解すると、人数の把握や実雇用率の計算を誤りやすくなります。
常用雇用労働者数に含まれるのは、1週間の労働時間が20時間以上で、1年以上雇用される見込みのある人です。なお、週所定労働時間が20時間以上30時間未満の労働者は、短時間労働者として1人につき0.5人で算定します。
雇用障がい者数は、障がい者手帳を保持している労働者の人数を、カウントルールに則って数えます。実務では、労働時間と障害区分によって扱いが変わるため、そこを確認しながら整理することが大切です。
ロクイチ報告は、本社所在地を管轄するハローワークに提出します。電子申請、郵送、持参などの方法がありますが、数字の確認やカウント方法に誤りがあると、その後の対応まで影響することがあります。
ロクイチ報告は、現状を把握するための大切な手続きです。ただし、企業に求められているのは、報告書を提出することだけではありません。法定雇用率への対応や、改善に向けた取り組みが進まなければ、行政指導の対象となることもあります。
法定雇用率が達成できず、一定の基準を超えると、ハローワークから障害者雇入れ計画書の作成・提出が命じられることがあります。これは今後2年間の障がい者雇用の計画を記入するもので、提出して終わりではなく、一定期間チェックが入ります。
つまり、ロクイチ報告は提出そのものより、その後の改善をどう進めるかが問われる制度でもあります。
ロクイチ報告をきっかけに障がい者雇用を考え始めても、実際には数字の確認だけでは進まないことが少なくありません。多くの企業がつまずくのは、意欲の問題というより、進め方の構造にあります。
一般採用でも採用難が続くなかで、障がい者雇用でも母集団形成に苦戦することがあります。
何に配慮すべきか、どこまで対応すればよいのかが分からず、社内で判断が止まりやすくなります。
採用そのものより、雇用後のフォローや日々の変化への対応で難しさを感じる企業も少なくありません。
制度のことは分かっても、実際に何から始めるべきか、どの形が自社に合うのかが見えにくいことがあります。
障がい者雇用の進め方は一つではありません。どれが正しいかではなく、自社に合った進め方をどう選ぶかが重要です。
「雇ったけれど続かなかった」というケースでは、能力や意欲の問題ではなく、雇用後を支える仕組みが足りていないことがあります。問題は突然起きるのではなく、日々の小さな変化の積み重ねとして現れることが多いためです。
体調・気分・集中力などの変化は少しずつ現れます。小さな変化を拾える仕組みがあるかどうかで、定着のしやすさは大きく変わります。
現場は問題ないと思っていても、本人は無理をしていることがあります。ズレを早めに揃えられるかが重要です。
問題が大きくなってからではなく、早い段階で業務量や時間、環境を微調整できる余地があることが、続く雇用につながります。

就労サテライトは、雇用契約は企業とご本人が結んだまま、就労環境や日常的な支援を外部のサテライトオフィスと連携して進める方法です。社内だけで抱え込まず、採用から定着までを段階的に考えやすくなります。
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社内だけで受け入れ体制を整えるのが難しい、定着まで見据えた進め方を考えたい、という企業にとっては整理しやすい方法の一つです。

障がい者雇用は、義務として受け止めるだけでなく、どう設計するかで負担感も結果も変わってきます。今日は「こんな選択肢もあるんだ」くらいで持ち帰っていただくだけでも十分です。
対象になるかどうかは、常時雇用する労働者数や制度改正のタイミングによって判断が必要です。まずは現状を整理しながら確認していくことができます。
はい。最初から特別な仕事を用意しておく必要はありません。現在の業務の中から、継続しやすい内容や進めやすい業務を整理しながら考えていくことができます。状況をお伺いしたうえで、こちらからご提案できることもありますので、まずは「何ができるか分からない」という段階からでも大丈夫です。
企業さまの手間を大きく減らしながら進めやすくなる一方で、完全に放置できる仕組みではありません。雇用主は企業さまであり、ご本人との関係づくりはとても大切です。就労サテライトは、必要な支援や運用面を外部と連携しながら進めつつ、企業と雇用者のつながりも保っていく方法としてお考えいただくのが近いです。
そう感じられる企業さまは少なくありません。就労サテライトには、障がい特性を理解した支援員が常駐しており、日々の様子を見ながら必要な支援や調整につなげていくことができます。最初から企業さまだけで抱え込まずに進められる点も、安心材料の一つです。
法定雇用率の算定は、雇用契約の形だけでなく、所定労働時間などの条件も含めて確認する必要があります。たとえば、雇用率制度では週所定労働時間によってカウントの扱いが異なるため、実際の運用条件を踏まえて整理することが大切です。
ロクイチ報告をきっかけに、障がい者雇用の進め方を見直したい企業さま向けのご相談導線です。いきなり導入を決めるのではなく、自社に合う進め方かどうかを確認するところから始められます。